2007年10月11日木曜日

メルボルン世界遺産 ロイヤル・エキシビション・ビルとカールトン庭園




大陸南東部に位置するビクトリア州。自然と人の暮らしが調和した環境を持つこの州は、オーストラリアの産業・文化の中心地としての歴史を歩んできました。そんな歴史を象徴するのが、州都メルボルンの中心に佇む「ロイヤル・エキシビション・ビルとカールトン庭園」。オーストラリア初の世界文化遺産として登録された堂々たる佇まいは、ファッショナブルなメルボルンっ子達の姿と調和して、洗練された都市の景観を生み出しています。メルボルンとその近郊は、そんな世界遺産を中心に、時間をかけてじっくり堪能するべき素材にあふれています。




お洒落なメルボルン・シティの一角に、悠然と佇むロイヤル・エキシビション・ビルとカールトン庭園。1880年にメルボルンで開催された万国博覧会のために建設されたシックで重厚な趣きは、19世紀に世界各地で開催された万国博覧会の歴史を伝える貴重な存在として、
2004年にオーストラリア初の世界文化遺産に登録されました。

 この建物が建設された1879年当時は、まさに「万博」全盛の時代。
近代化が進んだ当時、そこで発表される最先端の技術や文化に、人々は魅了され、未だ見ぬ将来への夢をはせました。そして、未来への期待と知的好奇心の高まりは、1851年から20世紀初頭までの間にロンドン、パリ、ニューヨークなどの都市で50回を越える万博開催の歴史へとつながったのです。ロイヤル・エキシビション・ビルは、そんな歴史を今に伝える現存する唯一の建物。世界と文化の激動に人々が熱狂した時代の象徴として、価値が恒久的に認められたものなのです。
 そんな歴史が詰まった白亜の建築は、ビザンチン、ロマネスク、ルネッサンス様式など各時代の様式の美しい部分を融合したもの。大聖堂をおもわせるドームを見上げれば、青い空と緑豊かな庭園が織り成す鮮やかなコントラストに、時代を超えた美を感じられることでしょう。メルボルン・シティにゆったり滞在すれば、朝日を浴びる時刻やライトアップされる幻想的な夜など、さまざまな表情が堪能できます。往時の人々に思いをはせながら、洗練された現代のシティを楽しむことができる都市型の世界遺産といえます。

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