オーストラリアの16を数える世界遺産のうち、5つが存在するクイーンズランド州。
そのすべてが、「自然遺産」であり、生い茂る亜熱帯雨林、グレートバリアリーフに広がる無数のサンゴ礁、荒涼としたアウトバック(内陸部)の砂漠地帯、太古の姿を今に伝える雨林地帯と、全く異なる表情が一つの州に集結しています。
まさに、ここは世界遺産の宝庫。ここでは、そんなクイーンズランド州の中から、世界一大きな砂の島として世界遺産に登録されている「フレーザー島」をご紹介します。
オーストラリア大陸の東部、サンシャインコーストを北上し、ホエールウォッチングで有名なハービーベイの東側に浮かぶフレーザー島。
その土地のほとんどが砂からできた、世界でも珍しい砂の島です。
その大きさは、全長約120キロ、横幅の平均が約15キロと、
砂の島としては世界最大。
そして、地球上で唯一、砂の上に亜熱帯雨林が生い茂る自然環境は、その特異な環境から、
1992年にユネスコから世界自然遺産として登録されました。
この島には、砂だけでなく緑と水にめぐまれた豊かな自然の姿が存在しています。
この島には、砂だけでなく緑と水にめぐまれた豊かな自然の姿が存在しています。
約4万年前の姿を、そのままにとどめた環境の中には、さまざまな野生動物たちが暮らしています。
耳を澄ませば約240種といわれる野鳥の声が響きわたり、森林を訪れれば、ディンゴやハリモグラ。
海では、ジュゴンやイルカ、ウミガメに気軽に出会うことができるでしょう。そんな自然の豊かさから、先住民のアボリジニ達は、この島を彼らの言葉でパラダイス(楽園)を意味する「ガリ」と呼びました。
その名のとおり、この島は、ゆっくり滞在して楽しみたい自然の作り出した芸術的な光景にあふれています。